編集長コラム

Vol.15 最強! プロから家庭まで なんでも外す なんでも切断

作業工具の革命
~エンジニアさんのご紹介~

◎黄綬表彰などたくさんの賞状
 2017年は、産業界では第4次産業革命が本格スタートする年と言われています。新聞やテレビ、雑誌ではAI(振興知能)、Iot、ロボット、ビッグデータなどの言葉が溢れています。

AIを活用した自動車の自動運転も、もはや“夢物語”ではないようですな。タクシーの運転手さん大変やろな…。お正月休みにそんなことをぼんやり考えていたら、あっという間に「関西え~もん!」の取材でした。

やってきたのは、大阪市東成区東今里に本社を置くエンジニアさんです。取材で通されたショールムのような応接室。多彩な作業工具の見本だけでなく、たくさんの賞状が飾られていました。ざっと見ただけでも20-30近くありそうです。

グッドデザイン賞、近畿地方発明表彰「大阪府知事賞」、大阪ものづくり大賞、全国発明表彰「日本商工会議所会頭発明賞」、文部科学大臣表彰「科学技術賞」などなど。中でも、圧巻は「平成25年春の黄綬表彰」です。

当時、まだ50歳代だった高崎充弘社長さんが受章されたのです。東京大学工学部を卒業後、大手造船会社に勤務、その後、家業の作業工具の会社に戻ってこられたのです。歴史のある作業工具の世界で、オンリーワンの新しい商品を次々と開発、その成果の1つが表彰状となっているのです。“作業工具の革命”を起こす会社です。

◎ネジザウルスGT成功の要因を分析
高崎さんに、新しい製品づくりのきっかけをお聞きしました。「父と叔父でやっていましたが、これからの時代はねじ回し、ペンチ、ノコギリどこでもやっているものだけではアカンと思いました」と、新しい製品づくりに挑戦されます。

自分の勝手な思い込み、お客様のこんな製品が欲しいなどの声に対応して新商品を開発されます。しかし、現実には失敗もたくさんあったそうです。そんな中で、“背水の陣”の覚悟で2009年に開発されたのが、ネジザウルスGTでした。「爆発的に売れましたね。そこで、なぜ売れたのか?愛用者カード約1000枚を読み返してお客様の声をチェックしました」と成功の要因を探られました。

◎ヒット商品をつくる方程式「MPDP」
ここが偉いところですな。失敗したときはみなさん失敗の原因を調べて反省されます。でも、うまいこと行くとほとんどの人は有頂天になって、成功の要因を考えません。でも、高崎社長は成功の要因を分析されました。それをまとめたのが、ヒット商品をつくる方程式「MPDP」でした。

マーケティング、パテント、デザイン、プロモーションの略です。市場調査をして、大事な知的財産を守り、性能だけでなく色やカタチにもこだわり、販売促進をしっかりやると、ヒット商品がつくれるというのです。

ネジザウルスシリーズの4代目、ネジザウルスGTの累積販売本数は300万本という驚異の数字になりました。カタログには、「噛みつく血統4代目、ネジザウルスの出番です」とあり、「とことん外せます」と書かれています。

つかみにくい低い頭のネジ、ネジ頭がつぶれたネジ、トランスネジやナベネジ、さらに錆びたネジ、固着したネジも外せるです。自動車、バイク、自転車、設備機器などのメンテナンスに必需品ですな。

◎一家に1本ネジザウルスが夢

外すだけではありませんよ。使い終わったガスボンベの処理、瓶のふたやペットボトルの頭の部分のリング処理などリサイクルにも役立ちます。さらに、ジャム瓶など固く閉まったフタも簡単に開けることができます。仕事場だけでなく、家でも活躍できます。「一家に1本ネジザウルスが夢ですね」と普及に力を入れられます。

ニーズ、パテント、恐竜のようなデザイン、そしてネジザウルスのゆるキャラ「ネジ・ザ・ウルス」、CMソングもつくって販売促進をされました。高崎社長のトレードマークでもあるスキンヘッドをネジ頭に見立てて、ネジザウルスをアピールする写真も時々メディアに露出されています。MPDPの要因が全て入っているのです。

◎4つの機能鉄腕ハサミGT

もう1つの商品、鉄腕ハサミGTはこのMPDP方程式にそって開発し、50万本の販売実績を上げるヒットを飛ばしています。

機能性と安全性の高いハイパーグリップ。紙や布のスライド切りもスムーズにできる「ストレート刃」、多様な素材をザクザク切断できる「ギザ刃」、ハギガネ・固いコード類もわずかな力で切断できる「ワイヤーカッター」、ダンボール箱の開閉に使える「ダンボールオープナー」と4つの機能があります。

「とくに固い素材には、ハサミの外側から力を入れて切断することも出来ます。その際、手を挟まないようにフィンガーガードの機能も付け加えています」と高崎さん。プロの熟練作業からホビーユーズまで、さまざまなシーンで活躍できるイッピンです。ネジザウルスと同様にグッドデザインを取得、オシャレなハサミです。「コンパクトで切れ味バツグン。ミッションは最小で最強」とまさに“鉄腕ハサミ”です。

◎会社のロゴを変更、あなたを、ヒーローに。
 作業工具の革命を起こそうとされているエンジニアさんですが、昨年末に会社のロゴを変更、2017年からイメージを一新してスタートされました。「あなたを、ヒーローに。」をキャッチコピーにクール、イノベーティブ、遊び心をあわせ持った道具を創造し、世界一愛される工具メーカーを目指されます。

ブランドイメージは、革新性、誠実性、創造性をビジュアライズされます。世界市場を視野に入れて、米国やドイツの展示会にも出展、2017年から世界のエンジニアを目指した動きが本格化しそうです。

(竹原 信夫)

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