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海洋冒険家・ヨットマン 堀江謙一さん

読売ファミリーの平林由佳です。
2月1日号の表紙を飾るのは、海洋冒険家でヨットマンの堀江謙一さん(84)です。堀江さんの愛艇のある西宮市の「新西宮ヨットハーバー」で、お話を伺いました。


昨年、最高齢での単独太平洋横断に成功した堀江さんの愛艇「サントリーマーメイドⅢ号」。全長、なんと5・8m。ちっさい! 西宮市の新西宮ヨットハーバーに繋留されています

1962年、堀江さんが世界で初めてヨットでの単独無寄港太平洋横断に23歳で成功したのは皆さんもご承知の通り。以来、数々の冒険を成し遂げ、昨年には最高齢での単独無寄港太平洋横断に成功。ギネスにも登録されています。


1962年8月、サンフランシスコに到着した堀江さん(堀江さん提供)

「当時は『無謀なことをするやっちゃ。たまたま成功しただけだろう』と思っている人が多かったようですが、ヨットは実はとても安全なんですよ。日本人がその可能性に気づいてへんだけ」と堀江さん。「山登りの方が空気は薄いし、寒いし、ずーっと危険(笑)。僕は海でケガをしたことは一度もないです」。


2022年3月、サンフランシスコを出発した堀江さん(堀江さん提供)

堀江さんがヨットに出会ったのは、関大一高(吹田市)のヨット部。先輩や練習がとても厳しく、新入生で結局残ったのは堀江さん一人だったそう。「阪急電車で通ってたので、よく梅田の阪急百貨店6階の書籍売り場に寄ってたんです。そこで専門誌を読みあさったり、フランス人がゴムボートで大西洋横断した本を見たのが、最初の太平洋横断のきっかけ」。


「今は情報が豊富にあるが、当時は本との出会いが僕の人生を変えました」

昨年の航海と最初の航海との最大の違いは24時間家族や友人と連絡が取れたこと。「以前は行ったっきりやったからね(笑)。今回は毎朝、妻と少ししゃべってたので、妻も『1分でもしゃべれたら、安心して買い物に行ける』って言うてました(笑)」。

失礼ながら、このお歳での太平洋横断。さぞかし、日々のトレーニングをされているのかと伺うと、「トレーニングなんて必要ない。人間としての健康さえ維持しておけば、何の問題もない」ときっぱり。ジョギングなどの経験もなく、ジムにも行ったことがないのだとか。ちなみに、暴飲暴食をしないことが、最大の健康法なんだそうです(お酒は毎日缶ビール1缶程度。朝食は完全に和食派)。


1962年のサンフランシスコ到着時、現地のコーストガードと語らう堀江さん(堀江さん提供)

数々の偉業をなしとげてきた堀江さんですが、「チャレンジという気持ちはなく、ただ僕はやりたいことをやっているだけ。自分の好きな事をするのに、パワーやチャレンジはいらんでしょ。逆に自分の思いを抑えるのが大変なぐらい(笑)」という言葉に、さすが!と逆にいろいろ考えさせられました。


レジェンドと一緒に。大感激です!

ちなみに堀江さんは大の巨人ファンなんだそう。「大阪生まれで、阪神間に住んでますけど、僕はあまのじゃくなので(笑)。テレビは巨人戦しか見ません」。

堀江さんのヨットには一切、エンジンがついていません。「小さいエンジンでも、1日で100ℓぐらい燃料を使う。対して、風はなくならない無限のエネルギー。今の時代の理想のエネルギーですね」と話される姿に、改めて様々な学びを得た取材でした。

平林 由佳
中1の男の子と小2の女の子がいる読売ファミリー記者。料理は作るのも食べるのも好き。温泉や旅行も好き。読売ファミリーでは主にインタビュー記事を担当しています!

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